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zoom RSS 戦争を語り継ぐ

<<   作成日時 : 2015/01/14 19:23   >>

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 被爆者援護法の制定や原爆症認定訴訟の支援に取り組むとともに,海外で被爆体験を語り,核兵器廃絶運動に力を注いだ金子一士さん(広島県原爆被害者団体協議会理事長)が89歳で亡くなった(1月4日)。昨年暮れには,長崎での被爆体験を語り続けて来た片岡ツヨさん(12月30日=93歳),沖縄の「ひめゆり学徒隊」の生き残りで,戦争体験を語り継ぐことが「次世代への責任です」と話していたという宮城喜久子さん(12月31日=86歳)が,還らぬ人となっている。ともすれば戦争の悲惨さが忘れられようとしている現在,残る生命力を賭けて体験を語り継ごうとしている語り部の人たちが,次々と消えて行ってしまう。そのことを密かに好都合だと思っている人がどこかにいるかもしれない。
 私の身近で,戦後の旧満州での地獄のような体験を書き続けてきた女性のことを,このブログでかつて紹介した(2012年12月27日「91歳のツイッター」)。音訳ボランティアとして知遇を得た女性の御母堂だ。お名前は,井筒紀久枝さん。その苛酷な体験の記述は,2001年8月に生涯学習研究社から『大陸の花嫁』として出版され,のちに2004年1月には岩波書店から現代文庫版で発行された。句集『望郷』(1977)の中の「泣く吾子と凍水(いてみず)ガツガツ噛む馬と」という句は,朝日新聞に連載された大岡信さんの「折々のうた」(岩波新書『新折々のうた8』所収・2005年11月発行)にも紹介されている。
 「母は91歳。一昨年脳梗塞で倒れましたが、なんとか毎日数行の日記だけは続けています。」「ここ数年心身ともに弱り、口を開くのも億劫がっていた母が、昨年の『3.11』を機に少しずつ昔話を始めました。」「被災地の人々の再生・復興へ向けての底知れぬ力から、母はまた生きる気力を得たのかもしれません。」「起き上がってものを書くことがだんだんしんどくなってきた母は、話はできても文章化するには長文になるので書き続けることができません。そこで、娘が『それならおばあちゃんのつぶやきをツイッターにして公開しよう』と提案し、即実行してくれました。おかげで、さっそく北海道のインターネットラジオや新聞等が取り上げてくださり、ツイッターの威力を痛感しています。」
 上記は,前述のブログに記載した知人のホームページ http://www.balloon.ne.jp/453room/ (2012年8月15日)からの引用をさらに抄出したものだが,その後の御様子は昨年8月16日のブログ http://happyhaiku.jugem.jp/ に書かれている。
 「昨年(13年)9月の一行日記を最後に、母はすっかりペンが持てなくなった。ほんの時たまスイッチが入れば少し昔語りをする。それが精一杯の様子。/先月、老人ホームで転倒し脊柱圧迫骨折をしてからの母は、ますます口籠もるようになった。しかも、胸椎・腰椎共に骨折したせいか頓服を飲んでも痛みが強く、さすがの気丈な母も『もうこれ以上生きていたくない!』と泣き言を言うほど。そばにいる私も切なくなった。/最近ようやく痛みも落ち着いてきたようでホッとしている。」
 繰り返し引用したのは,筆者の新谷陽子さんが前記『大陸の花嫁』(岩波現代文庫版)の巻末に「戦争を語り継ぐために」として次のように述べているのが印象深く残っているからだ。
 「ますますキナ臭くなってきた今こそ、戦争体験者は強く平和を訴えなければならないと思いますが、実際の体験者たちはどんどん鬼籍に入り、母のように語りたくても老境の身ではままならない現実もあります。/これからは、私たち子や孫の世代がどう語り継いでいくかが大きな課題になってくると思います。戦争の世紀を逆戻りしたような世の中で、私たち次の世代の人間が、体験者たちの証言を重く受け止め語り継いでいくことは、本当に大切です。」
 そして,彼女は今も,多くの証言の聞き書きを残すことに力を注いでいる。

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ピカドンの糜爛にとどめの黒い雨 鬼哭啾啾草牟須屍
いざよひ
2015/01/15 19:49

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