ShoGのボヤキ念仏

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zoom RSS ブレーキが利かない

<<   作成日時 : 2016/03/05 19:23   >>

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 「権力とは、(略)自分の個性を他人の頭の上に無理やりに押し付ける道具なのです。道具だと断然言い切って悪ければ、そんな道具に使いうる利器なのです。権力に次ぐものは金力です。これも、あなたがたは貧民よりもよけいに所有しておられるに相違ない。この金力を同じくそうした意味から眺めると、これは個性を拡張するために、他人の上に誘惑の道具として使用しうる至極重宝なものになるのです。してみると、権力と金力とは自分の個性を貧乏人よりよけいに、他人の上に押しかぶせるとか、または他人をその方向におびき寄せるとかいう点において、大変便宜な道具だと言わなければなりません。こういう力が有るから、偉いようでいて、その実非常に危険なのです。」
 これは,夏目漱石(1867〜1916)が1914(大正3)年,学習院輔仁会(学友会)でおこなった講演「私の個人主義」の一節だ(現代仮名遣いで表記した)。漱石はそのあとで次のようにも述べている。
 「自分がそれだけの個性を尊重しうるように、社会から許されるならば、他人に対してもその個性を認めて、彼らの傾向を尊重するのが理の当然になってくるでしょう。(略)自分は天性右を向いているから、彼奴(きやつ)が左を向いているのはけしからんというのは不都合じゃないかと思うのです。」
 かつて高校の「国語」の教科書にも載っていた文章だから,少なくとも60歳代後半であれば,学んだ人も在るはずだ。そのとき高校生がどれだけ理解できたか,また,十分に理解させる力が若い担当教員に有ったかどうかは疑わしくも思うけれど,今にして読み返してみても,現代にも通じる含蓄有る言葉だ。
 現代の感覚で言葉を加えると,「権力や金力を持つ者は,その行使に当たっては自らブレーキを掛けることを心掛けなければならない」ということになるのではなかろうか。
 最近,ブレーキとアクセルとを踏み間違えたことによる自動車事故が増えているようだ。高齢や病気による,注意力や瞬時の判断力の低下が原因である場合が多いのだろうが,そのために生死に関わる被害を受けた者は救われない。と思っていたところ,今度は,暴力団の抗争にからんで,敵対する相手の建物に車を突っ込んでおいて,「間違えてアクセルを踏んだ」という理由を,弁明に利用している事件まで起こったという。
 間違えてどころか,アクセルを踏みっぱなしの権力者や,その追随者が,国の内でも外でも,自己主張している。エンジン全開で権力の座を目指している候補者も在る。ブレーキを掛ける人がいなければ,世の危険な情況は進行する一方だと憂えるばかりだ。

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内 容 ニックネーム/日時
蜂蜜とランプ肉とのポプリパイ クリキントンにまさる能はず
いざよひ
2016/03/06 21:18

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