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zoom RSS 帰らざる旅

<<   作成日時 : 2017/04/07 13:37  

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 4月5日,詩人の大岡信さんが亡くなった。大岡さんの業績を挙げれば書き尽くせないほど有るけれど,1979年から2007年に至るまで「朝日新聞・朝刊」に連載されたコラム『折々のうた』ほど,「和歌や俳句から歌謡や漢詩、近・現代詩に至るまで多彩なジャンルの詩歌を取り上げた」(4月6日付「朝日新聞・朝刊」)一大アンソロジーとして,多くの人たちの心を引き付けたものはなかろう。足掛け29年,6762回にわたって掲載された詩歌は,作者の有名無名にこだわらず,私の何人かの知人の作品も取り上げられたことがあり,まさに現代の『万葉集』と呼ぶにふさわしいもので,その全ては,岩波新書としても,80年から07年にかけて19冊に及び,2冊の索引も付して出版されている。
 岩波新書版は,先年,私の「終活」の一環として蔵書を整理した際に知人に譲ったので,今は手許に無いけれど,2007年2月14日付の新聞の切り抜きが残っているので,転記しておきたい。
 「わが妻を愛(かな)しみにくみかくしつつしづかなる老(おい)に入り難きかも」結城哀草果『まほら』(昭23)所収。「現在の日本では農業の性格も変革をとげたし、農民のあり方も大いに変わってきた。農民歌人といえば真っ先に名前があがった結城哀草果だが、哀草果のような純然たる農民歌人は、今後現れることはないのではないかと思われる。彼はきびしい農耕に従事し、かたわら数冊の歌集をはじめ、『村里生活記』『農村歳時記』のような随筆集で大いに健筆ぶりを示した。右の歌、最後の七音が印象的。」
 これを切り抜いた理由は,連載の最終回となるものとして残しておきたいと考えてのことだったと記憶しているのだけれど,「朝日新聞」の今回(4月6日付)の死亡記事では,「最終回は『薦(こも)着ても好(すき)な旅なり花の雨』(江戸時代の女性俳人、田上菊舎)」となっている。「ねがはくは花のもとにて春死なむ」という西行の歌が好きだったという大岡さんがそのとおりの旅立ちだったので,記者の思い入れが先行したのではなかろうかと,勝手に憶測している。
 享年86歳という大岡さんは,2009年に脳出血,2011年に誤飲性肺炎を患い,会話は出来ない状態で療養中だったというから,大往生と言っても良い最期だったのだろう。昨年来,永六輔(83歳),船村徹(84歳)など,私と年齢の近い人たちが次々と逝ってしまった。永さんや船村さんにしても,既に何年か前から重篤な持病を抱える状態になっていたと聞くから,それも寿命だったのだろう。
 80代の享年と聞くと,私にはまだ先のことのように思っていたときも有ったけれど,「平均寿命」が伸びている中で「健康寿命」ということが言われるようになり,「2014年の日本人の平均寿命は,女性86.83歳,男性80.50歳にまで伸びている。平均寿命が大幅に伸びた今,一方で,日常的に介護を必要とせず,自立した生活を続けられることを示す『健康寿命』の2013年の算出結果は,女性74.21歳,男性71.19歳だというから,平均寿命との差は大きく,わが老々夫婦もとっくにそれを超えていることになる」「高齢化がわが身の問題としても現実に迫っていることを認識し,先行きの覚悟をしなければなるまい」と,かつて書いた(15.8.31「健康寿命」)けれど,そう考えれば,私の齢は,未だ「日常的に介護を必要と」はしていないものの,亡くなった人たちを既にはるかに越えていることになる。

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内 容 ニックネーム/日時
紫木蓮(しもくれん)色香もすでにうせにけり ひらりはらはら舞ひてをはんぬ
いざよひ
2017/04/08 19:53

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