高校野球の特待生制度

 日本高校野球連盟は,野球選手であることによる特待生制度を採り入れている高校が376校にのぼるという最終調査結果を発表した(3日)。この数字に意外感は無い。さもありなんと思う。高校野球が持て囃されるのに伴い,野球で名を挙げたい私学が,特待生制度と国内留学生の受け入れとで,野球部の強化を図ってきたのは,長年の流れだ。それを今になって問題視する高野連のお偉方は,あまりにも実情に疎かったとしか言えまい。高校野球の人気の上に乗っかった野球貴族が,独善的なきれいごとを唱えているだけで,何を今さらという感が強い。
 私学が注目度の高い運動部を強化しようとするのは,経営政策としても当然のことだし,スポーツで身を立てようとする生徒が有名強豪校を目指すのも自然の成り行きだろう。一芸に秀でた者が,それによって認められ,有利な扱いを受けるのは,今の時代では,大学入試をはじめとして,何の違和感も無いことだ。今回の騒ぎで,可哀想なのは,特待生としての誇りと既得権を喪い,試合出場の機会まで奪われた,7971人(高野連発表)の生徒たちである。
 事の是非は別にして,罪は,高校野球の人気を煽り立てるジャーナリズムにも在る。特に春と夏の全国大会を主催する新聞社(「毎日」と「朝日」)は,販売上の思惑もあるのだろうが,大会には過大な紙面を費やし,選手個人をヒーロー扱いした物語的な記事まで掲載する。その中には,野球留学生であったり特待生であったりした選手も少なくないはずだし,球児たちが甲子園を目指し,野球による立身出世を志す背景としては,これらジャーナリズムの影響も大きいと思われる。
 そのような実態を顧みず,高野連もジャーナリズムも,今になって,特待生制度で騒ぎ立てることに,鼻白むのだ。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック