記録の出る水着

 スピードの出る競泳用水着が注目を集め,次々と記録が更新されているのにつけて思い浮かべるのは,古橋広之進,橋爪四郎という名前だ。敗戦後まだ2,3年しか経たず,日本のオリンピック出場も許されなかった時期に,海外に遠征して次々と競泳の世界新記録を出した。敗戦に打ちひしがれ,どん底の暮らしをしていた日本人にとって,1951年のボストンマラソンに優勝した田中茂樹とともに,またとない明るい話題だったが,当時,スピードの出る水着などという物は無かった。さらに溯れば,1936年のベルリンオリンピックで金メダルを獲得した前畑秀子選手の時代も同様だ。
 記録の出る水着が開発されたということになれば,そのような水着の無かった過去の記録とは比較できないし,その水着を使っている選手とそうでない選手との記録を比べることもできないことになる。世界の記録も,着用する水着に分けて争わなければなるまい。
 いっそのこと競泳では水着の着用を廃止して,素っ裸で争えば平等だし,そのほうが生身の人間の勝負だという気もしてくる。マラソンでも,シューズの改良が進んでいるが,1960年のローマオリンピックではだしで走って優勝したエチオビアのアベベという選手もいたことだ。
 しかし,そうなると今度は,よりスピードが出るように,体型を改良しようとすることになるのだろうか。

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