不信の政治家

 太田誠一農林水産相が辞任した(19日)。汚染事故米の不正転用問題をめぐる対応の責任を取ったということだが,遠からぬ実施が予測される衆議院議員総選挙に当たって,政府与党のマイナスイメージを少しでも減じようとする思惑が働いているようで,遅きに失した辞任だという感が強い。つい先日の「(人体に影響は無いことだから)あんまりじたばた騒いでいない」という発言では,農林水産省の対処の姿勢に問題が在るという事の本質が全く解っていないことを示していた人だ。
 太田誠一という政治家は,かつて大学生の集団強姦事件に際して「集団レイプする人はまだ元気があるからいい」と言い放った(2003年)ことが有る。農林水産相に就任してからも,中国製冷凍ギョーザの有毒物質混入に関して,「(日本のような民主主義の国は)消費者としての国民がやかましくいろいろというと,それに答えざるを得ない」という発言が問題になった。
 辞書によると,「失言」とは,「言ってはいけない事をうっかり言ってしまうこと。また、その言葉。」(新明解国語辞典)とある。私も,失言をして,あとで慚愧の念に責められることが有るけれど,「言ってはいけない事」を,その場の成り行きでうっかり言ってしまったという認識が有るからこそ後悔するので,太田大臣にその認識が有るとは思えない。
 「言ってはいけない事」という認識がもともと無くて,本音を述べているだけだと思われる。それは,「失言」ではなく,「暴言」=「相手の立場や実情などを全く無視するような乱暴な言葉。」(同)だ。被害者や消費者の立場で考えることの無い「暴言」を繰り返す,政治家としての適格性に欠ける人物を大臣に登用する政府そのものに疑念を抱かざるを得ない。
 太田氏だけに限らない。次期自民党総裁就任がほぼ確実視されている麻生太郎氏にしても,人権感覚の欠如や,かつてのわが国の朝鮮半島に対する植民地政策への反省の無さが感じられる暴言を,これまで多く放っている。偏見かもしれないが,戦前の炭鉱経営で,朝鮮人や被差別部落民を酷使した麻生一族の中での生育環境によって刷り込まれた感覚が意識の根底に在るのではないかと思われる。自民党総裁がそのまま首相に選ばれる現状で,そんな人物を首相とする内閣が成立しても,信頼する気には到底なれない。
 折しも,政治家としての正常な感覚と見識を有していると思われた河野洋平衆議院議長が政界から引退するという。残る政治家の中で真に信頼できる人物が見当たらないことに,絶望を深くする心境だ。

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