大相撲実況の中止

 大相撲界での賭博問題に絡んで,1928年にラジオでの実況放送が始まって以来,80有余年の歴史が有るNHKの実況放送が,今回の名古屋場所では中止になった。テレビでは,63年から続いていたそれに代わってダイジェスト番組が放送されているけれど,ダイジェストでは,やはり味気無さは否めない。
 いつも,それほど熱心に観ていたわけではないけれど,実況を観ていると,仕切りを重ねる間にしだいに緊張感が高まって来るのが伝わり,立ち合いの興味が盛り上がる。ダイジェストだと,勝負の成り行きだけで終わってしまい,大相撲の醍醐味は,仕切りから始まる阿吽の呼吸の流れに在るのだと,今更のように感じさせられる。その前に,土俵下で控えているときの表情も興味に加わることだ。
 また,取り組みを終えて花道を引き揚げる力士の姿にも,感じるものが有る。高見盛のように,勝ったときの高揚と敗れたときの消沈が顕著な力士も在るけれど,彼ほど際立った態度ではなくても,負けて引き下がる背中に勝ち力士の名と決まり手を告げる場内放送が流れるとき,敗者はどんな気持ちでそれを聞くのだろうかと,いつも想像することだ。
 そういうことを含めた全てが大相撲であって,勝負の成り行きだけをダイジェストで見せられても,味わいは薄れる。単に勝負の結果を知るだけなら,翌日の新聞記事を読めば済むことだ。実況放送が中止になったことで,今まで特に意識していなかったことに更めて気付かせられた思いが有る。

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