子役の演技

 フジテレビ系で放映されていたドラマ「グッドライフ」が終わった(6月28日)。テレビドラマを観ることは尠い私だが,寝室で,妻が観ているドラマの音声が耳に入ってくるうちに,「グッドライフ」に関心を持つようになった。
 主人公の羽雲を演じる子役の加部亜門の演技力に関心を持ったのが初めだが,しだいに,羽雲の「パパ」に寄せる愛情の深さに引き込まれるようになった。現実に,これだけ子に慕われる父親が在るのだろうかと,そういう父親の幸せを想う。そして,その役を演じている加部亜門は,実生活での父親には,日常どんな気持ちを抱いて暮らしているのだろうか,その間に齟齬は無いのだろうかと思ってしまう。
 加藤清史郎に始まり,最近では,芦田愛菜,鈴木福,等々,優れた演技を見せる子役が輩出しているけれど,演技力を持つ子は,それだけ感受性が鋭いのだろうと思う。それにつけても,「グッドライフ」の加部亜門のように,自らの生命への不安と戦い,それを克服したのちに,今度は,大好きな父親が自分から去っていくという事態に直面して揺れ動く心情を見事に表現しているのを観ると,そういう役柄に感情移入することによって,現実の生活の上で,心的外傷が残ることはないのだろうかと心配になる。
 最近のドラマに多い,大人の問題を受け止める子役たちの繊細な演技を観るほどに,そういう子役への精神的ケアが十分に行われているのか気に懸かるけれど,6月11日に8歳の誕生日を迎えたときの加部の「ひとつ大人になったのでまたちょっと演技がうまくなったかな?と思います」という発言を聞くと,彼らは子どもながらに「演技」を自覚し,それを高めようとする気構えを持っているのだと感心させられ,私の心配は杞憂なのかもしれない。

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