「なんと!」

 文化庁が今年おこなった国語世論調査の結果が発表された(21日)。調査で取り上げられている日常会話で使われる表現の中で,言語表現については保守的な私が納得できるのは「むかつく」くらいのものだ。もともと生理的な不快感を表す語だから,多少広い意味で使われても,特に違和感は無い。手元に有る1991年発行の『広辞苑・第四版』にも「癪にさわって腹が立つ」という意味が記載されているから,既に早くから定着していると言って良かろう。しかし,その他の表現や誤用は,許容する気持ちになれない。
 調査の対象にはなっていないし,誤用とも言えないけれど,最近気になっているのは,感嘆詞的に使われる「なんと!」である。
 「これが,なんと!○円(安い)」,「これを,なんと!○本(多い)御提供」というように,テレビCMなどで多用されている。プロ野球の記事で「なんと5回を持たずにノックアウト」というのも有った。
 連想するのは,「是(これ)がまあ つひの栖(すみか)か 雪五尺」という一茶の句だけれど,老い先の暮らしの厳しさを思う一茶の感慨と違って,CMで使われる「なんと!」は,軽薄で,消費者を煽る意図だけが露骨に感じられる。
 そう思っていたところ,郵便受けに入っていた大学合唱団の定期演奏会のチラシに「周辺にお住まいの皆様をコンサートへ特別にご招待いたします。本チラシを一般受付にてご提示いただきますと、なんと!5名様まで無料でご入場いただけます」と書かれていた。「5名様」「無料」が大きな字体で印刷されている。まるでスーパーの売り出しのようなコンサートだ。

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