高校野球のタイブレーク制・再論

 8月25日に行われた全国高校軟式野球選手権大会の準決勝戦,北東北代表・能代高校(秋田県)対北信越代表・上田西高校(長野県)の試合が,高校野球の全国大会では初のタイブレークになった。軟式の大会なので実況放送は無かったけれど,新聞報道によれば,互いに譲らぬ投手戦で0対0のまま推移した延長13回から,無死一,二塁の状態で攻撃を開始するルールにより,タイブレーク制が適用された。13回は互いに1点ずつ得点したが,14回表の能代の攻撃で,1死二,三塁からの投手ゴロの送球を受けた捕手の勘違いで走者へのタッチを怠ったエラーと,続く中犠飛で挙げた2点が決勝点になったという。無死一,二塁という,軟式ではそう無い場面で,「自ら出したわけでもない走者を背負った状況でのスタートは大きな負担になる」と,大会前の出場校へのアンケートで答えた(8月22日付「朝日新聞」)上田西の危惧が奇しくも当たってしまったわけだ。
 「(私が気になっているのは,)選手の健康管理や日程をスムーズに消化することを考えてのことかもしれないが,(略)単に勝敗が決まりさえすれば良いというものではあるまい。」「野球の試合では,相手の得点を防ぐためには各回の先頭打者を出塁させないことが重要だと言われ,そのことに力を傾ける。ところが,タイブレーク方式は,(略)選手の気持ちや試合の機微を無視した,便宜的なものだと言うしかなく,(公式試合の機会が多い社会人野球などとは違う)高校野球に適用するのは納得できないことだ。」 と,昨年8月16日(「高校野球にタイブレークはそぐわない」)に述べた。
 昨年の準決勝戦で,中京(岐阜県)と崇徳(広島県)が4日間にわたって延長50回戦を戦ったことが今年からタイブレーク制度に踏み切らせた直接の原因になったのだろうが,「万事に能率や利便性を重視する現代社会だが,全力プレーが爽やかな高校野球の世界にまで便宜主義を持ち込んでほしくない」という昨年の私の結論を繰り返したい。勝敗を決めるだけあれば,例えばサッカーのPK戦のような別の方法を考えても良かろう。そのほうがまだ納得しやすいように思う。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック