「見出し」の巧拙
新聞に目を通していたとき,離れて覗いていた妻が「2分では火災は消せないでしょう」と言う。何のことかと思って見たら,私が読んでいた朝刊の第一面(11月7日付「朝日新聞」)に「スプリンクラー対応二分」という見出しが有った。首里城の火災でスプリンクラーが未設置だったことに関連して,消防法の規定では設置義務は無く,「誤作動で所蔵する文化財を傷める恐れがあるため」などの理由で,法隆寺,二条城,彦根城にも設置されていないのに対して,姫路城では「消失すると取り返しがつかない」という意見が強くて約1千カ所に整備されているという。そこまで読めば,文化財によって対応が二つに分かれているという意味だと解る。「ニフン」と読むか「ニブン」と読むかで意味が異なってくるのは,私が先日載せた「ゴミの分別」の中で「ブンベツ」と「フンベツ」と二つの意味に使い分けたことを想起するけれど,新聞報道の見出しとしては言葉足らずで,妻の咄嗟の誤解も無理の無いことだ。
意味の解りにくい見出しでは,5日付朝刊のトップ記事も気に懸かった。「庁舎電力 大手『取り戻し』」と「都道府県・指定市 新電力から」と2行に分かれたものだが,助詞の省略が多いので,見出しだけでは「電力会社大手が,新電力会社から,都道府県・指定市の庁舎で使用する電力の調達先を,取り戻している」という意味が伝わらない。
新聞の見出しは,スペースの制約が有る中で記事の内容を短い言葉で的確に表し,読者を記事の中身にまで引き入れる,重要で難しい役割を担っている。私は,多くの紙面に目を通して比較しているとは言えないものの,近年,その質が低下しているように感じることが有る。大学入学共通テストで「国語」に記述問題を採り入れようという案が検討されているけれども,「見出しの作成」を出題するのも一案かもしれない(採点方法などは別の問題として)。さらには,政治家の基本的な資質を見るのにも役立つのではなかろうか。
意味の解りにくい見出しでは,5日付朝刊のトップ記事も気に懸かった。「庁舎電力 大手『取り戻し』」と「都道府県・指定市 新電力から」と2行に分かれたものだが,助詞の省略が多いので,見出しだけでは「電力会社大手が,新電力会社から,都道府県・指定市の庁舎で使用する電力の調達先を,取り戻している」という意味が伝わらない。
新聞の見出しは,スペースの制約が有る中で記事の内容を短い言葉で的確に表し,読者を記事の中身にまで引き入れる,重要で難しい役割を担っている。私は,多くの紙面に目を通して比較しているとは言えないものの,近年,その質が低下しているように感じることが有る。大学入学共通テストで「国語」に記述問題を採り入れようという案が検討されているけれども,「見出しの作成」を出題するのも一案かもしれない(採点方法などは別の問題として)。さらには,政治家の基本的な資質を見るのにも役立つのではなかろうか。
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