総選挙の行方が気に懸かる

 橋下徹大阪市長を代表とする「大阪維新の会」を支持する人の大多数は,「弱く支持する」穏健派で,階層的には,自身を「上」「中の上」と位置付けているという,政治学研究者による意識調査の結果が発表されていた(8月20日付「朝日新聞・大阪本社版)。
 思い起こすのは,ちょうど3年前の総選挙で民主党が圧勝したときのJNNの世論調査の結果だ。
 民主党に投票した人(43%)の8割が「政権交代を期待して」という理由を挙げていて,政権交代につながる選挙結果については,全体の72%(自民党支持層でも46%)が「良かった」とし,新政権に「期待する」が75%(自民党支持層でもおよそ6割)に上っているものの,民主党に投票した人でも,「民主党の政策に共感」は32%にとどまっていた。
 長年にわたる自民党政権に失望した人たちが,「政権交代」をスローガンにした選挙で民主党に投票した結果だが,「政権交代は望ましい成り行き」で,「今,自民党に代わって政権を担うとすれば,民主党しか無いけれど,その政策にも疑問な点は多い」ということで,「民主党一辺倒の選挙結果には,単純に喜べない思いが有る」と,私は書いている(2009.9.8)。 http://www7a.biglobe.ne.jp/~say/imanoyo.09.html
 当時,選挙前には,私の周囲でも,「今の自民党による政治を変えるには民主党に勝たせるしか無い」という多くの声を聞いた。しかし,結果は,民主党への「期待」も,裏切られるところが大きかったことになる。
 今また,「近いうち」の総選挙に向けての「大阪維新の会」への支持が,3年前の民主党への支持と重なって見える。政策より「政局」を重視する自民党をはじめとした既成政党への度重なる失望が「維新の会」への期待となって現れているのだろうが,当時,山崎正和さんが「ある問題を、主として否定することをテーマに、大多数の人がムードに乗って一気に大きく揺れること」と定義した(2009年9月2日付「朝日新聞」)「ポピュリズム」で,文化や教育,福祉の面への理解が足らぬ,強権的な「ハシズム」に流される結果は,極めて危険なことに思われてならない。

(本稿は,8月26日に書いたものだが,「朝日新聞」『声』欄の字数制限に合わせて編集し投稿したところ,掲載の候補になっているという連絡が有ったので,ブログへの掲載は差し控えていた。「維新の会」のその後の動向に合わせた内容を加えたいという担当記者の意向で,それに伴う本文の改変も委ねた。改めてメールで送られてきた文案を読むと,私の本意とはいくらかのずれが感じられたが,あえて修正するまでもないと思い,そのままで了承した。本日,大阪本社版の紙面に載ったので,私の本意との「ずれ」については,別に記すことにして,最初に書いた文章をここに掲載する。)

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