夢のような話がしたい。

 「(私は)よく眠ります。連続8時間は眠り、昼寝もするので累計睡眠時間は1日10時間に及びます。」「寝起きは頭がクリアで、起きるなり仕事ができます。その状態を何回もつくれば作業効率が上がると思って、昼と夕食後に仮眠するのです。」と,作家の島田雅彦さん(59)は言っている。(7月4日付「朝日新聞」be面『私のThe Best!』聞き手・林るみ)
 島田さんは続けて言う。「睡眠中の脳は目覚めているときとは違う働きをしていて、それが創作や発想の源泉になっているという自覚があります。心折れる外界から距離を保ちつつ、妄想の世界で自由に遊べるこのクリエイティブな時間はマイ・ベストといっていいでしょう。」
 私は作家ではないけれど,文章を書くのは好きだし,扱う機会も少なくないほうだと思っているので,まさに同感だ。特に高齢になってからは,脳の活性化のために適宜の睡眠が欠かせない。半睡半醒の中で「クリエイティブな時間」を持つことも少なくない。しかし,過去の現実の記憶を夢に見ることはほとんど無い。
 「この齢になるまでには,戦後の辛い体験も厭な思いもずいぶん重ねて来ているけれど,それを夢に見ることは無い。夢そのものを見ることの少なくなった今でも,たまに見るのは懐かしいことか楽しいことで,目覚めてからもう一度見直したくなるような『夢物語』が多いのは,悪い記憶は引きずらず,何事も前向きに捉えようと気持ちをコントロールしているからだろうか」と書いている(2019.3.19「夢物語」)ように,目覚めてから書き残しておきたいようなものも有るのだが,そのときはもう「懐かしい」「楽しい」という雰囲気の記憶だけで,具体的な内容は思い出せなくなっているのは,これも老化の証しの一つなのだろうか。
 せめて現実でも,生きる原動力となるような,明るく前向きな話がしたいものだと,そういう話題を引き出してくれる相手を切に求めている。

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