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zoom RSS 「である」ことの重さ

<<   作成日時 : 2016/08/11 19:16   >>

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 「武士は行住坐臥常に武士であり、またあらねばならない。しかし会社の課長はそうではない。彼の下役との関係はまるごとの人間関係でなく、仕事という側面についての上下関係だけであるはずです。」「もし日本で必ずしもこういう関係が成立してないとするならば、──仕事以外の娯楽や家庭の交際にまで会社の『間柄』がつきまとうとするならば──職能関係がそれだけ『身分』的になっているわけだと言えましょう。」
 これは,1961年に刊行(岩波書店)された丸山真男『日本の思想』に収められている「『である』ことと『する』こと」の一節で,かつては高等学校の「国語」教科書にも採録されていたものだけれど,今回(8月8日)の天皇陛下のお気持ちの御表明を伺っていて想起したことだ。
 現行憲法の第一章第一条には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」 と有る。続く第二条以降で「皇位の継承」「国事行為」等についての規定が記されているわけだけれど,敗戦国である日本が天皇制を維持して行くためには,国民の多数が受け入れられる最低限のものとしての苦心の作だったのだろう。そして,天皇は,天皇「である」ことと象徴として「する」こととを簡単に分けて考えることのできないお立場を重く受け止めてこられたことだろうと,今にして思わせられる。
 陛下のお言葉の中に,「これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私の後を歩む皇族にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました。」「天皇が象徴であると共に、国民統合の象徴としての役割を果たすためには、天皇が国民に、天皇という象徴の立場への理解を求めると共に、天皇もまた、自らのありように深く心し、国民に対する理解を深め、常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる必要を感じて来ました。」 と有ることに,戦後,天皇が背負い続けてきた重い荷物とその苦衷をひしひしと感じずにはいられない。
 天皇が天皇「である」ことの重荷は,庶民の「職能」の比ではない。それは「終焉」に至るまで付きまとうことだ。そのことは,「天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。」 というお言葉に示されているし,また,「私の後を歩む皇族にとり良いことであるか」と,後を継ぐ「皇族」方のことまで懸念されているお気持ちが伝わってくる。天皇を個人の「人間」として見るとき,「戦後七十年という大きな節目を過ぎ」た今,我々が考えなければならないことは大きいのではなかろうか。
 翻って,「である」ことと「する」こととが私生活においても行住坐臥切り離せないことを常に念頭においていなければならないのは,一庶民であっても,当てはまる立場の人は少なくない。政治家,教師や医師,警官などは,家族ぐるみでの自覚が必要な,その代表的な立場だろう。お言葉の中の「天皇もまた、自らのありように深く心し、国民に対する理解を深め、常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる必要を感じて来ました。」 という「天皇」と「国民」の部分は,首相をはじめ,様々な立場に在る人もまた,自らの場合に置き換えて深く考えなけれはならないことだと思われる。

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コメント(2件)

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すめろぎもいこふときもてしろしめせ うましくにそあきづしまやまと
いざよひ
2016/08/12 20:50
文字を全てひらかなにしたのは、それなりの意味を含むと察せられます。あえて漢字仮名交じり文にしますと<天皇もいこふ時もて知ろし召せ うまし国そ蜻蛉島大和>でありましょう。「いこふ」は万葉言葉で<休む>の意「しろしめせ」は<治めませ>の意「うましくに」は<いい国>の意でありましょう。なお、国文の専門教育を受けたShoG様は原文のままで十分に理解出来る訳ですが、そうでない多くの閲覧者のための岡目七目の蛇足であります。
岡目七目
2016/08/13 20:05

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