大相撲を憂える

 八百長問題で揺れる大相撲を巡って,百家争鳴,各人各様の意見が出されている。私にも感想は有るが,私の思いと同じことを述べている人も在るので,今さら言挙げする気にもならない。しかし,やっぱり言いたいことも,いくつか有る。
 特別調査委員会なるものを設けて徹底調査をすると言うけれど,果たしてどれだけの成果を挙げられるものだろうか。
 まず,アンケートなどというくだらない方法や聞き取り調査で,自分に不利なことを馬鹿正直に包み隠さず答えるものか疑わしい。
 次に,その調査の裏付けを取るために携帯電話や預金通帳の提示を求めるというけれど,やましいところがまったく無い者であっても,他人には知られたくないプライベートな部分は誰でも持っていよう。そのプライバシーにまで踏み込める権限が調査委員会に在るとは思えない。あらぬ疑いを掛けられたくはないけれど,「そこまでお前らに知られたかない」と思う者もいるはずだ。司直の取り調べに対してさえ黙秘権というものが認められているのに,いかに大相撲存亡の場合とは言え,個々の力士の人権をどう考えているのだろう。
 日本相撲協会は,全容解明までは,本場所だけでなく,地方巡業も中止すると決めたようだが,全容解明など,いつになったら本当にできるものか,信じる気にはなれない。その間,これまで真摯にひたすら励んできた力士の生活はどうなるのか,土俵に命を賭けてきた者は,その意欲をどこに向ければ良いのか,人の人生をすら左右することで,他人事ながら気に懸かる。力士以外でも,大相撲に関わっている人たちや業者が受ける影響は大きいはずで,協会の理事たちは,その責任を取れるのだろうか。事態の収拾を図ろうとして動顛しているとしか思えない。
 所詮,うわべだけの決着で終わるとしか思えず,先行きを期待する気にはなれない。真に大相撲を立て直そうとするのであれば,表に出た一部の者の処罰とか,形だけの全容解明を言う前に,根源に在る前近代的な雇用制度を革め,プロスポーツとしての組織を確立することこそ,取り組まなければならないことだと思われる。それを実現させるまでは,たとえファンにそっぽを向かれ,観客が無くなろうとも,場所を継続するくふうと努力を続けるべきだと思う。

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