失格政治家

 松本龍復興担当相が,就任9日目にして,訪問した被災地での放言を批判されて辞任した。その発言を聞けば,「放言」と言うよりも,被災地を見下した権力者的な「暴言」と言うべきだろう。しかも,「九州の人間ですけん,ちょっと語気が荒かったりして,結果として被災者を傷つけたとすれば申し訳ない」という釈明からは,反省の気持ちはまったく感じられない。「語気」の問題ではなく,発言内容の問題であり,その根底に在る意識の問題なのだということが解っているとは思えない。また,「九州の人間」だということを理由にするのであれば,「九州の人間」は意識が低いということになり,九州の人たちをもバカにしたことになろう。そういえば,「東北の人間」ということを表現力に欠ける理由にした政治家もいた。
 かつての「部落解放の父」と呼ばれた祖父・治一郎氏であれば,今回の龍氏のような発言や態度は無かっただろうと思われる。政治家も三代目ともなると,特権階級だという思い上がりが生じるのかと思うと情けないことだ。
 5月には,民主党の石井一副代表が,フィリピンでゴルフをして批判を受けた結果,党の東日本大震災対策本部副本部長を辞任した前例が有り,当時,現地での取材の記者団に対して「面白がって書き立てるなよ」と発言した高圧的な態度は許し難いと記したことがある(5月12日掲載「意識の低い政治家」)けれど,今回の場合も,村井宮城県知事に対する発言について,報道陣に,「今の最後の言葉はオフレコです。いいですか,みなさん。書いたら,その社は終わりだから」と言ったという。両者に共通するのは,国民を見下した強権的な態度で,国民のために働く選良だという自覚のかけらも感じられないことだ。信頼できる人材の乏しい民主党だけでなく,自民党の,党利党略を優先させる議員にしても,たいした違いは無いように思われてならない。

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