ことば断想「快挙」

 山中伸弥・京都大学教授のノーベル医学生理学賞受賞が報じられた。
 その中で,「快挙」という語が盛んに使われているけれど,ノーベル賞の受賞が「快挙」なのではなく,その対象となったiPS細胞の開発・作製という,これまで積み上げてきた業績がすばらしいことなのだと思う。
 辞書によれば,「快挙」とは,「胸のすっとするような見事な行為。」(「岩波国語辞典」),「夢で終わらせることなくよくぞ実現してくれたと、多くの人から称讃を受けるような、すばらしい行為。」(「新明解国語辞典」)とある。
 今回の受賞の知らせは,「朗報」,「吉報」であり,暗い出来事の多い昨今の世の中で,国民の気持ちを明るくする「快事」であるには違いないが,それは「行為」そのものではなく,「快挙」と表すのはどうかという気がする。
 たまたま同じ日(8日)に開催された大学三大駅伝の一つ,第24回出雲全日本大学選抜駅伝競走で,出場3回目の青山学院大学が,群雄を退け,大会新記録での初優勝に輝いた。3区で区間賞を獲得した1年生の久保田和真選手がトップに出てからは,それを継いで区間新記録を出した4区の大谷遼太郎選手(4年)をはじめ,最後まで1位を維持した,総合力による見事な勝利だった。久保田選手は九州学院高校のときから実績の有る選手だけれど,「常勝チームよりも上昇度の高いチームに行って力になりたい」と青山学院大学を選んだという。インタビューを受ける表情も爽やかで,言葉の意味に限って言えば,これこそが,「夢を実現」させた,まさに「快挙」と言うにふさわしい活躍だったと感じる。

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