民主主義の今

 「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。」(日本国憲法前文)
 「国民によって選ばれ、国民に代わって政治のことをつかさどる公務員には、いろいろあるが、その中でもいちばん重要なものは、主として『立法』のことにあたるところの国会の議員である。国家の公務には、『立法』のほかに『行政』と『司法』とがあって、それらをつかさどる人々も、国民の代表者であることに変わりはない。」
 戦後間もない昭和24年,文部省著作教科書として新制の中・高等学校の「社会科」で用いられた『民主主義』上・下2巻が在った。17章373ページに亘って民主主義社会の有りようを詳しく述べたもので,上掲の文章は,その第十三章「新憲法に現われた民主主義」から抜粋したものだ(一部旧字体の漢字は現行の字体に改めた)。
 現行の『日本国憲法』(昭和21年11月3日公布,22年5月3日施行)の柱としては,今日最も問題になる「戦争放棄」だけでなく,「主権在民」,「三権分立」が在る。私どもは,戦中戦後の社会を生きて,民主主義と日本国憲法の精神を実践的に学んだ。しかし,今の安倍首相を初めとする政治家や官僚たちはそれをどれだけ学んでいるか疑わしい限りだ。安倍首相の国会軽視,行政私物化の姿勢が「国民のための政治」と大きくかけ離れているのをかねて憂えていたところ,今度は検察人事にまで強引に手を出そうとしている情況は,民主主義の対極に在るものとして前記の書にも繰り返し述べられている「独裁」に通じるもので,民主主義に対する挑戦だと言っても過言でないと思われてならない。公務員としての職務から逸脱して「辞職願」や「進退伺」を出さなければならないのは,検事長や法務大臣よりも,まず首相自らではなかろうか。
202005「民主主義」表紙.JPG

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この記事へのコメント

いざよひ
2020年05月24日 19:49
安倍川や清流かれて淀むらむ 今やあくたの森の黒川
岡目七目
2020年05月25日 20:33
深読み勝手解釈 安倍総理大臣、森法務大臣、黒川前検事長の名前を折り込んだ狂歌ふうの歌ですが、静岡県の安倍川を総理大臣に見立てて、この一級河川も清流が涸れたのでよどみとなってしまい、今や森のゴミだらけの黒い汚れ川と化してしまった。との比喩を通じての嘆きの歌でありましょう。なお「あくた」は芥ですが、この「あく」は飽くに通じ、現政権にあきたとの意をも含むのでありましょうか。